巨人長野の不調は打順変更による考え方の違いか 巨人 8‐5 DeNA 2010年05月09日

 昨日と同じような展開だったが、ピンチの場面で山口が貫禄のピッチングを見せた事は、さすがというところだろう。やはり、真田、福田と違ってスピードはそんなに差は無いのだけれども、球の回転が良いのだろう。キレがあった。ボールのキレとは、失速率の少ないボールのこと。速いスピードを維持したままキャッチャーミットに投げる。トップクラスの回転数だったと思う。

 さて、最近気になることがあって、一番に打順が代わった長野だ。確かに昨日など、タイムリーの出る日もあるし、ノーヒットが続いているわけではないが、どうも甘い球を打ち損じている回数が多い。その原因は、

 1.打順変更によって相手ピッチャーの配球が少し変わったこと
 2.3番と1番との役割の違い

に、あるのだと思う。

 3番と1番では、攻められ方も少々違いはあると思う。3番のときは、チャンスで回ってくる回数も多いから初球から勝負球を投げてくるケースもある。しかし、1番になったことで、チャンスで回ってくるというより、先頭バッターとして打席に立つ回数が必然的に増える。すなわち、ノーランナーの場面が多くなるため、変化球でカウントを取る配球や、打たせて取るシュートやスライダーを多用され、長これまでの配球との違いや「読み」が違っていたりしているのではないか。実際チャンスでは相変わらず強い印象がある。

 また、ノーランナーの場面が増えるということは、ピッチャーが振りかぶって投げて来るので球威のあるボールの比率が高まって、押されてしまうこともあると思う。

 3番と1番では、役割が、実際は似ているが、ちょっと違う部分もある。似ている所は「つなぎ」。1番は2番につなぎ、3番は4番につなぐ必要がある。ということは、1番も3番も、

 「自分でアウトになってはいけない。」→「巧みなバッティング技術」

が求められる。もちろん他の打順でもアウトになってはいけないが、これまでの野球を見てきた経験から、特に1番と3番はアウトになるとチャンスがグッと減ってしまうのだ。そういう意味では打順変更をする時は、どこのチームも1番と3番が入れ替わることが多い。イチローとか田中賢介と糸井とか。

 もちろん違いもある。基本的には1番は「出塁のみ。ただしその出塁が超大事」3番は「つなぎとタイムリー」という役割の違いだ。この違いが打者心理の違いとなって影響してくるのだ。具体的に、

 3番打者の心理は、「自分で決めるし、4番につなぐことも重要だ。絶対にボール球には手を出さないぞ」

 1番打者は「出塁が求められる。そのためにはファーボールも狙うが、それよりバットに当ててヒットにしないといけない。少々のボール球でも技術でヒットにしなければ」

 と、なる。長野の心理は3番打者の心理。だから、見逃し三振の場面が多い。本来ならばバットに当てなければならない場面でも、見送ってしまう。見逃し三振で、ピッチャーの投げるボールと長野自身のタイミングやバットコントロールの確認など、次の打席の考えがまとまらず、凡退のヤマとなっているのではと思っている。

 ほんのわずかなことかもしれないが、プロの世界は大きいものだ。それこそが奥深さであり、野球の面白さである。